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~東京都千代田区 御茶ノ水編~

みなさんこんにちは。
リンスタ社会科担当の白井です。

前回紹介した仙台堀の崖にへばりつくようにJR御茶ノ水駅があります。
江戸幕府の2代将軍徳川秀忠が、この付近にあった高林寺境内の名水で入れた茶を飲み、それがとても美味しかったので、
以後将軍家にここの水が献上されるようになったというのがこの地名の由来だそうです。
この駅には“聖橋口”と“お茶の水橋口”の2つの出口があり、お茶の水橋口の出口を出て道路を渡ったところにあるのが
「お茶の水石碑」です。


ここに石碑が立っているということは、きっとここに高林寺があって、秀忠がお茶を飲んだんだなぁ・・・
と思う人も多いかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

御茶ノ水駅のホームから出口に向かうには、階段やエスカレーターを上る必要があります。その出口の目の前にこの石碑があるということは、この場所は台地の上ということになりますね。小4のカリキュラムでも学びますが、台地上というのは水の得にくい場所です。この場所から名水が・・・というのはどうにも不自然な気がします。なぜなら、名水とされる水が出るのは、台地や扇状地の先端部分が多いからです。

調べてみたところ、高林寺があったのは現在の湯島聖堂の南側あたりだそうです。地形図を確認すると、ここならば台地の先端部分なので、良い湧水が出そうですよね。
高林寺は、1657年に起こった明暦の大火の後に移転し、現在は文京区にあります。東京メトロ南北線本駒込駅の近くです。この寺の近くにあって、同じように明暦の大火で移転した寺院の1つが吉祥寺です。現在、この寺があるのはJR中央線吉祥寺駅の近く・・・ではなく、高林寺と同じ文京区です。

最後に、もう1つの“お茶の水”を紹介しておきましょう。

この石碑があるのは千葉市中央区にある亥鼻城跡です。地形図を見ると、やはり台地の先端部分にあることが確認できます。
ちなみに、こちらのお茶の水を使って茶を入れたのは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場した千葉常胤、その茶を飲んだのは源頼朝だそうです。あくまでも伝説ですけどね・・・。

「?」はきっとそこにある
「?」を知ればおもしろい!
みなさんも、身近な「?」を見つけて楽しんでみてください。

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