内田幸仁(うちだゆきひと)

【立冬~大寒 生徒編①】

2023.01.20

さて、冬の生徒編。トップバッターは中学1年生「鱈のホイル焼き」さんの作品です。

お年玉 お、分厚いぞと 期待して 開けて気づいた 1000×3

1000×3!センカケルサン!いいじゃない。良いリズムですね。センとサンの音もいいし、何より1000円札を数える様子がありありと浮かびます。この作品が「お年玉 お、分厚いぞと 期待して 開けて気づいた 三千円」だと、ただの欲張り中学生になり、ユーモアが台無しになることを感じてください。すばらしい工夫だと思います。あと、お年玉はいわゆるピン札を折るから、厚みがわかりにくいんですよね。3千円かな、いやいやもう中学生なら5千円じゃないかな。この心の揺らぎ!よくわかる!私も中学生くらいのときは、ポチ袋に名前が書いてあるとショックでしたね。2コ上の姉との差を表す印だから。そんなことを思い出させてくれた短歌でした。

【内田先生からの返歌】
お年玉 目で見る厚み 尊い顔 あけて気づいた 1000×3
※「鱈のホイル焼き」さんの作品の四句目「開けて」があるので、開けたらおめでとうにしたかったのです。
 正月感をより強く、おめでとうと(高額を)ワクワクしたけど、あけたら残念を表現しました。

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