内田幸仁(うちだゆきひと)

【初夏~夏 生徒編③】

2022.09.13

中学1年生Mr.ジーニーさんの投稿です!


砂浜に 裸足でつけた 足の跡 波に消えても 思い出残る

良いですね。海辺で遊んだ楽しさが素直に書かれていて、
そしてその思い出を大事にしていることがよーく伝わってきます。

ただ、ちょっともったいないところもあります。
それは、『重複』といって同じ内容を二回言ってしまうこと。
たとえば、「暑い夏」という表現。夏は暑いに決まってるじゃん!ってなるよね。
だったら、その『重複』を削って、別の内容を入れたほうが広いイメージの短歌になります。

今回の作品だと、3つの要素が重なっていました。
①裸足=足②砂浜・裸足=足の跡③砂浜・足跡消える=波
※「砂浜で足跡が消えた」といえば、誰もが「波」をイメージしてくれるということです。

そこで、Mr.ジーニーさんに作品の背景を聞いてみました。
やはり、この夏に海で遊んだ思い出を描いたとのこと。そして、その海で裸足になったのは、自分だけではなく、もう一人()いたことが判明!となれば、

・砂浜で 僕と妹 足の跡 波に消えても 思い出残る
 ⇒うーん、これだと裸足感がなくなっちゃいます。
・サンダルを 脱いだ僕らの 足の跡 波に消えても 思い出残る
 ⇒今度は砂のイメージが少なくなっちゃった。やっぱり砂入れよう。
・靴を脱ぎ 砂の感触 足の跡 波に消えても 思い出残る
 ⇒順番ひっくり返してみるか。(倒置と言います)
・消えてゆく 僕と君との 足の跡 心に残る 砂の感触
・消えてゆく 僕と君との 足の跡 心に残る 砂とサンダル
・波に消える 僕と君との 足の跡 心に残る 砂の感触
・波に消える 僕と君との 足の跡 心に残る 砂とサンダル
・波に消える 僕と君との 足の跡 靴の中には 砂と思い出
・消えてゆく 僕の足あと 波高く 心に残る 砂の感触

このように自分で作った歌を少しずつ言葉で検証することを『推敲』と言います。ちょっと難しい作業だけど、皆さんも是非チャレンジしてみてください。ということで、今回はMr.ジーニーさんと作品を振り返りながらの「短歌教室」になりました。

[内田先生より返歌]

波に消える 僕と君との 足の跡 心に残る 砂の感触

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