【初夏~夏 生徒編②】
2022.09.02
続いて、中学2年オニオニマカロニさんの作品です。
丑の刻 瞳に映る 今朝の僕 朱色の瞳で 私を見つめる
怖っ。私の初見感想です。
青春真っただ中で日々充実している中学2年生の心にある闇。
合わせ鏡の中の自分と入れ替わってしまうような、
選ばれし者であるアナキン・スカイウォーカーが闇落ちしてしまう瞬間を見せられたような気分になりました。
この作品には「揺れ動く」恐ろしさがあります。
丑の刻と今朝、僕と私、子どもと大人…。
「丑の刻」と「今朝の僕」という表現が絶妙ですね。かつては霊界の扉が開くと言われた時刻。眠れずに過ごす深夜2時を起点にすると、「今朝の僕」は、「昨日の僕」なのか、はたまた「明日の僕」なのか。
令和の時代に当てはめると、暗闇で眠れずにいじってしまったスマートフォンを「いい加減寝なきゃ」と電源を切った瞬間に映る自分の顔。明日の寝不足が確定した後悔。そして朝、真っ赤な目で顔を洗い、登校する。
朱色の解釈で意味合いも異なるところです。そこで、作者のオニオニマカロニさんにインタビューをしてみました。
まずは、題材の「夏」から怪談話を意識したそうです。今まで読んだり聞いたりした話の中のドッペルゲンガーやゾンビなどをモチーフに今回の作品を創りあげたとのこと。自分と同じ形をした朱色の瞳の人間と入れ替わってしまう(やっぱりただの寝不足じゃなかったです)。話題にあがった「今朝の僕」は、寝て起きるとまた「今朝の僕」を繰り返すループを表しているとのこと。やっぱり怖い作品だった。恐ろしさぎゅうぎゅう詰めです。
ということで、オニオニマカロニさん、投稿ありがとう。
想像力による肝が冷える夏の歌でした。
今後も言葉のセンス磨いていきましょう!
[内田先生より返歌]
丑の刻 スマホに映る 寝てる僕 閉じられた目を 羨む私
前回の記事はこちら
- 小学生
- 中学生
- グループ指導
- 個別指導