~東京都千代田区 飯田橋編~
2022.09.16
~東京都千代田区 飯田橋編~
みなさんこんにちは。
リンスタ社会科担当の白井です。
ここJR中央線飯田橋駅には、JR線だけでなく4つの地下鉄路線も集まっています。また、駅の北側には5つの道が交わる飯田橋交差点もあり、都内の交通の要衝といえるでしょう。
写真でわかるように駅舎は高架下にあり、ホームから駅の出口に行くには階段を下ります。ところが、同じ飯田橋駅の西口は、ホームから階段を上って出口にたどり着くのです。同じ駅なのに不思議ですよね。
地形図を見てみると、飯田橋駅が低地と台地の境目に位置していることがわかります。だから、台地側の東口と低地側の東口では、駅舎の高さが異なるのですね。
台地か低地のどちらかの部分にしたほうがいいような気がするのですが、なぜこんな中途半端な位置に駅を設置したのでしょうか?
調べてみたところ、もともと飯田橋駅は存在せず、その前後に2つの駅があったようです。
1つが“飯田町駅”です。
ここには、かつて中央線の起点があり、八王子や甲府方面の列車はここから出発していたのです。1933年にターミナルが新宿駅に移った後は貨物駅となっていましたが、1999年に廃止になりました。
現在その跡地には、写真のような線路がモニュメントとして残されています。
もう1つが“牛込駅”です。
この駅があったのは、現在の飯田橋駅ホームがある場所です。1928年に中央線が複々線化されるときに、駅間の近かった飯田町駅と牛込駅を統合する形で飯田橋駅が設置されました。
そのときの飯田橋駅は、地図でもわかる通りの急なカーブ上に設置されたのです。このホームは、電車とホームの隙間が大きく空いていて「都内で最も危険なホーム」と呼ばれていました。それを解消するために、2020年7月に200mほど新宿寄りに移設されたのが、現在の飯田橋駅ホームなのです。場所を考えれば、およそ90年前の牛込駅が復活したということにもなります。
飯田橋という橋があるのは東口の目の前です。少し離れたところにある西口には、江戸城の牛込見附跡があります。移転した今では、飯田橋と名乗るのがいささか不自然な気がしますね。
この際だから、駅名も牛込駅に戻したほうがいいのでは・・・と思うのは私だけでしょうか。
「?」はきっとそこにある
「?」を知ればおもしろい!
みなさんも、身近な「?」を見つけて楽しんでみてください。
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