桑名正和(くわなまさかず)

光の三原色をみてみよう。

2025.02.28

 夕暮れの空は本当にきれいなものですね。
 太陽がしずんでいくのにあわせて、空全体がいわゆる夕暮れの色からだんだんと夜の闇へと変化していきます。

 という、夕暮れを撮った1枚の写真ですが、この空の色は特定の一色ではなく、どう表現するかはなかなかむずかしいものです。
 今回は色についてです。

色とは何かを理解するというのはかなり奥の深い話です。赤いものは赤く見える、青いものは青く見える。
それはたしかにそうで、生まれた瞬間からたくさんの色にかこまれて生活しているので何の疑問も持たずに生活できます。
 そんな色についても、中学受験の理科では「光」の単元の一部に登場します。
 「光の三原色」というものです。

 「光の三原色」は赤、緑、青の3色です。

 こう見ると、なんか緑ってもう少し濃い色では?といわれそうです。
 パソコンで色の設定をするときには、赤、緑、青の3色を0~255で指定できます。
 赤0,青0,緑255で設定するとこの画面にある緑になります。

 3つの色ならべると、信号機のような感じに見えます。信号機との違いといえば、中央の色ですね。
信号機の中央は黄色ですから、緑だと違和感が。むしろ三原色だと黄色のほうがよさそう、となりそうです。

 黄色が含まれるのは「光の三原色」ではなく、「色の三原色」です。
プリンターのカラーインクに使われている3色というとイメージがわきやすいでしょうか。
プリンターのインクは「シアン」「イエロー」「マゼンダ」という言葉が使われています。

光の三原色と色の三原色、同じ色なのでは?と頭が混乱してきそうです。

 光の三原色はすべてあわせると「白」になります。絵具は3色をまぜても白にはなりませんから、イメージはしにくいと思います。
光の三原色は、3つの色の光が同時にあたった場所が白く光る、とそんなかんじです。

 青、緑、赤を交互にならべて、それを繰り返したらどう見えるか、やってみました。
青、緑、赤のマスを大量にしきつめて、それを圧縮してみました。

 ・・・黒に見えますね。

 背景の白がすべての色を反射しているので、それと比べると、それぞれの色が光を吸収してしまい、黒っぽく見えてしまっていそうです。

 背景を黒にしてみました。
そうすると、

黒の中にうすい灰色がうかびあがりました。
もはや目の錯覚といわれそうですが、黒という光がまったくない中に3色の光が当たることによって、だんだんと白に近づけることができることになります。
 テレビ画面も同じで白くうつっているところに近づいてみると、実は赤、青、緑それぞれが光っていて遠くから見ると白く見えることが確認できます。

 次に三原色のうち1つの色をぬいて2つの色でためしてみました。
 赤と緑を交互にならべてしきつめてみると。

 見事に黄色が浮かび上がりました。
 近づいてみると、赤と緑が交互にならんでいて、決して黄色をおいているわけではないことがわかるかと思います。
 絵具で緑と赤を混ぜても、黄色は作れないのですが、緑の光と赤の光が交互に出されることで黄色を認識することができるようになります。

 見える仕組みは目のほうにもあります。
人間の目の奥には光を感じる網膜とよばれる部分があります。
目の仕組みについては小学5年生の理科で学習します。
網膜の中には光を感じる細胞が網目状にあり、それぞれの細胞が光を感じることでその信号が脳へ送られて見えているものを認識しています。
 色を認識する細胞は錐体(すいたい)細胞と呼ばれており、青、緑、赤それぞれを認識する錐体細胞があります。目で感じている色もフルカラーを感じ取っているわけではなく、青を感じ取る錐体細胞は青だけ、というように感じ取る色は一色ずつです。3種類の錐体細胞が感じたものを脳で処理して、色を認識しています。
眼の仕組みもまた複雑かつ興味深いテーマが多いのでいずれ紹介することにします。

常に色に囲まれた日常生活ですので、皆さんもさまざまな色を作ってたのしんでみましょう。

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