桑名正和(くわなまさかず)

道路わきの低木をかきわけてのびるナガエコミカンソウ

2024.09.26

 蒸し暑さが続く8月下旬、大きな通りの交差点で信号待ち。
 コンクリートのすきまからエノコログサがたくさんのびていました。

エノコログサは小学4年の理科ででてくる定番の植物、「ねこじゃらし」という名前でもおなじみ。
 さて、エノコログサのほうに目がいきがちなのですが、一緒にはえているエノコログサよりもやや濃い緑色をしたまるい葉、これはなんだろう。葉のまるいかんじがカラスノエンドウのようなマメの葉にも似ています。

 交差点だけではなく、最近公園とか、民家のわきの花壇とか、街路樹のツツジの間とか、かなりたくさん見かけるようになってきて、生徒からもナガエコミカンソウという名前入りで写真が届きました。

 ナガエコミカンソウ?
 教材に出てくる植物ではないのですが、それにしてもかなりよく見かける、とうことで観察です。
まず、なんといっても特徴的なのは、茎からはと一緒につぶつぶのようなものが出ていることです。
すべての葉の付け根からまんべんなく同じように出ているので、見ればすぐに同じ種類であることがわかります。

すごく小さいのですが、ところどころ花が咲いているのがわかります。

 雄花と雌花のようです。どちらも2mm弱くらいです。

 実をつけているところもありました。
 実は花が咲き終わってから、めしべの付け根にある子房がふくらんでできますから、
 少し前に花が咲いていた部分ということになります。

 花よりも少しだけ大きめ、まるいつぶ状です。
 ナガエコミカンソウという長い名前の植物ですが、名前に含まれる「コミカン」は「小さいミカン」のことを指します。ほんとに小さいですが、ミカンの形状に似ているといえば似ています。
 ナガエコミカンソウの「ナガエ」の部分は「長い柄」からとられています。日本に古くからはえているコミカンソウは柄が短く、それに対してこちらは花をつけている柄が長いのでそこから「ナガエ」をつけてナガエコミカンソウ、とそんな名前の由来のようです。

 ナガエコミカンソウはコミカンソウ科の帰化植物、アフリカやインド洋の島などの熱帯地域が原産で2000年以降関東地方を中心に急速に広まってきているようです。今年の夏もかなり暑い日が多くありましたから、ナガエコミカンソウが生育するのにいい環境だったのかもしれません。


 
 9月になってもさらに成長しているようで、足元に広がるように生えているナガエコミカンソウに、さらに街路樹として植えられているツツジの上にのびるように1m以上の高さになっているものも見られました。

 皆さんのまわりでも見ることがあったら、花の付け根に小さくつけている花に注目してみてください。

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