桑名正和(くわなまさかず)

シロツメクサ ~四つ葉のクローバー探しは最近の遊び?

2024.08.23

遠足で野山にハイキングにいくと、そこそこ開けた草原にレジャーシートをひろげてお弁当。
私が小学生だったころはそのようなかんじでしたが、今も同じような遠足が行われているでしょうか。
レジャーシートを広げる場所は土だけの地面だと石でごつごつしていて座りにくいことがあるので、適度に植物が生えている場所がいいものです。背丈の高い植物は踏み倒してしまうのも気が引けるもので、足元低くに広がっている植物だとありがたく。

そういう低い場所に広がって生えている植物、河川敷や公園でも見かける植物として、今回はシロツメクサをとりあげます。

 まるく3つに広がった葉が印象的、ところどころに白い花をつけています。
 シロツメクサはマメ科の植物です。マメ科の植物といえば、ダイズ、インゲンマメをはじめとする、いわゆる「豆」をつくる植物です。シロツメクサと豆は直接頭の中で結びつかないかもしれないですが、葉がまるみをおびているのがマメ科の特徴で、シロツメクサの葉の形状はいかにもマメ科らしいものになっています。

 3枚の葉といえばカタバミもあり、かんちがいをおこしがちです。
比較を見ておきましょう。


  カタバミはハート形の葉を3枚つけているのに対して、シロツメクサはまるい葉です。シロツメクサは葉の中に白い筋状の模様が入っているのも特徴です。

 カタバミは黄色の花、シロツメクサは白の花と、こちらも全く違っているので見比べれば明らかなのですが、葉の印象だけだとかんちがいしてしまいます。イラストなどでかかれているシロツメクサの葉がハート形になっていることもけっこうあり、そのあたりからも間違いやすいのではないかと思います。

さて、シロツメクサという名前の由来は「白いものがつめられている」から、というもの。
シロツメクサの原産はヨーロッパで、日本に入ってきたのは江戸時代。ヨーロッパから食器などを船で輸送してくる際に、当時は段ボールや発泡スチロールがなかったので、船の揺れで割れないようにするために船の床などにシロツメクサをしきつめて、その上に食器をのせていた、船を見た日本人が白いものがつめられているのを見て「シロツメクサ」と命名、なんとも興味深い名前の付き方です。そんな海外からきて日本で繁殖している帰化植物です。
 
 シロツメクサの葉の形状はトランプカードのマークでもおなじみです。シロツメクサは英語でクローバー(clover)、ここからもシロツメクサがもともと日本の植物ではなかったことがうかがえます。

 白い花をつけるシロツメクサをよく見ますが、ピンク色っぽい花をつけているムラサキツメクサもたまに見かけます。

 ムラサキツメクサは葉の形状がシロツメクサよりもやや細長く大き目、花をつけている花茎が長く、シロツメクサよりも少し高い位置に花があります。こちらもシロツメクサと同様にヨーロッパから入ってきたものです。

 シロツメクサといえば、「四つ葉のクローバー」探しですね。誰でも一度はチャレンジしてみたことがありそうです。四つ葉になる原因は、3枚の葉がつくられる前、成長途中でついた小さな傷が修復される際にそれが4枚目の葉をつくるようになったとされます。
また、遺伝的な四つ葉のクローバーもあるようで、そういうシロツメクサは遺伝ですから、すべての葉が四つ葉になっているとか。私はまだ見たことがないです。四つ葉だらけだと、ありがたみが減ってしまいそうな気もしますね。

四つ葉のクローバーを探すことは、昔ながらの伝統的な遊びのようにも思えますが、平安時代とかにはシロツメクサは日本にまったく生えていなかったので、そういう意味では比較的最近の遊びということになります。
暑い日が続きますから、熱中症に気をつけつつ、四つ葉のクローバーを探す日があるのもたまにはいいかもしれないですね。

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