オシロイバナの花と種子
2024.07.26
夜になっても蒸し暑い、なんとも過ごしにくいこの頃です。
月明かりがきれいな帰り道には、街路樹のわきにあざやかなピンク色の花がたくさん咲いていました。
あらためて昼に写真をとろうとしても、しぼんでしまっていることが多く、写真におさめることが難しいのですが、咲いている光景をとることができました。
この花はオシロイバナ、小学4年の「夏の植物」の単元の中に登場している植物の1つです。教材の中にも「夕方から花を咲かせます。どの花も数時間でしぼみ」とあるので、規則正しい生活をしている小学生は、なかなか満開の光景を見ることができないかもしれません。
ピンク色をしたオシロイバナを多く見る印象ですが、黄色や白のオシロイバナも見つけました。
オシロイバナは南アメリカが原産、日本に入ってきたのは江戸時代頃。温暖な地域からきた植物とあって、日本でも暑い季節に元気に花をつけているように見えます。
オシロイバナの名前の由来についてですが、種子から白い粉がとれ、化粧品の「おしろい」のように見えることからついたといわれています。私が小さいころ、昔は「おしろい」として使っていたと誰かに聞いたような気もするのですが、実際は使っていないようでした。江戸時代の浮世絵とか顔が真っ白な絵をよく見ますが、当時の「おしろい」は鉛や水銀を主として作られていたようです。
種子をつけているオシロイバナを見つけました。
黒くてまるみをおびているのがオシロイバナの種子、たくさんできていました。
実際、種子がむき出しなことはないので、黒く見えている部分が果実でそのすぐ内側に種子があるということになります。
種子がたくさんできるので、種子が発芽して増える一方で、オシロイバナは毎年同じ場所にたくさんの花を咲かせています。オシロイバナが毎年同じ場所に花を咲かせる理由は球根をつくって冬越しをしているからでもあります。オシロイバナは種子でも球根でも成長がはやく、特に世話をしなくても育つ印象です。
さて、オシロイバナの花のつくりを再度確認です。
花の付け根がかなり細長くなっています。
オシロイバナの花の付け根にみつがあって、昆虫がみつをとりにくるとしても、この細長い中に入り込める昆虫はかなり限られそうです。こういう形状の花のみつをとりにくる昆虫、皆さんはどのような昆虫がいるか思いうかぶでしょうか。
チョウの仲間ですね。チョウは細長いストロー状の口をのばしてみつをすいます。ツツジ、アサガオ、ユリなどラッパ状の花のみつをすうのにチョウの口がよくできています。
オシロイバナは夕方~夜に花を咲かせるので、モンシロチョウやアゲハは活動時間外。同じ口の形状をしていて、夜にうごきまわるスズメガがオシロイバナのみつをすいにきています。
植物の世界と昆虫の世界で同じ季節でも、昼と夜に違う姿をみせるのが面白いものです。
夏は花火を見る片隅に、オシロイバナが静かに花を開いているかもしれません。
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