桑名正和(くわなまさかず)

ヤマボウシの開花

2024.07.12

 道路わきなどに、様々な木を見かけます。今回は街中で見かける木から、少し他とは違った様相のものを紹介。
3mを超えるくらいの木。
6月になると、たくさんのつぼみをつけ、やや葉にも似たかんじの薄緑色をした花びらのようなものを広げていました。

 こちらの植物はヤマボウシ。ミズキ科ヤマボウシ属。
サクラが咲き終わる4月後半から5月にかけて花をつけるハナミズキもミズキ科ヤマボウシ属で同じなかまです。
 ハナミズキについては以前紹介しました。

ハナミズキの花びらはどこ?

 4枚の花びらのように見える部分は実は花びらではない、という話でした。
 今回紹介するヤマボウシも同じです。4枚の薄緑色の花びらに見える部分は「総苞片」とよばれている部分です。4枚の総苞片にかこまれた中央のつぶつぶに見える部分がヤマボウシの花です。
たくさんの花をつけていますが、まだつぼみの状態です。

 ハナミズキは北アメリカの原産で、アメリカから日本に贈られたものでした。
一方、ヤマボウシは日本原産で古くから生えている植物です。漢字で「山法師」とあてられ、山にいる法師という意味がこめられて名前がついているようです。

 ハナミズキとヤマボウシの違いはまず花が咲く時期です。ハナミズキは4月から5月、それに対しヤマボウシが咲くのはハナミズキの花がなくなったあと、6月から7月にかけてです。

 ハナミズキとヤマボウシは総苞片の見た目もわかりやすく、ぱっと見たかんじで区別できるのではないでしょうか。ハナミズキの総苞片は中央がへこんでいますが、ヤマボウシはとがってきるのでハナミズキよりも葉のように見えます。

 最初の写真から1週間後のヤマボウシです。

 いくらか違いがわかるのではないかと思います。
 だんだんと総苞片の色も緑色が抜けて白が濃くなり、中央の花が開いてきました。
 総苞片の上に花粉がたくさんついているように見えます。
 花が開いたヤマボウシをさらに拡大してみるとこんなかんじです。

 中央の花が開いてきた様子で、おしべのようなものが見えます。
 さらに1週間後

 中央にめしべだけが残って、花びらやがくは落ちてしまったようです。
 花は変かをしていますが、総苞片にはほとんど変化がないので、遠くから見ていると、その違いには気づきにくそうです。

 いろいろな花をながめるのもいいですが、ヤマボウシなど1つの花を日々ながめてその変化をたのしむのもいいものです。
じっと眺めていると、気がつかない間に蚊がとんできていたようで、あとからかゆみが。
 今の時期はいろいろ気をつけないといけないようです。

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