桑名正和(くわなまさかず)

夜道の端にコマツヨイグサ

2024.06.20

 空に雲がない夜の帰り道、上弦の月がかがやいていて、その近くに見える星は・・・
 と、空を眺めながら帰る日々ですが、雨が多い季節だとなかなかそうもいきません。傘をさすともはや上を眺めることもできないので、一方、足元に目がいきます。
 大きな通りのわき、街路樹と一緒に様々な植物がはえていて、昼だけではなく夜ならではの光景もあります。

 該当に照らされて光っている黄色の花びらがありました。

 小学4年の理科では各季節ごとに植物の学習をします。
「夏の植物」の単元でも、さまざまな植物が紹介されています。
その中の1つ

オオマツヨイグサ・・・黄色の花を、夜にさかせます。

この写真の花も黄色。これがオオマツヨイグサ?
と、調べたら、こちらはコマツヨイグサのようでした。名前のとおり、オオマツヨイグサとコマツヨイグサは大きさで名前がついているようです。
オオマツヨイグサの花は直径が810cmとかなり大きめ、一方こちらのコマツヨイグサは2cm程度でこじんまりとさいています。茎もあまり高くならず、地面全体に広がるように生えていました。

晴れているときにもう少し近づいて写真におさめてみました。
ハート型をした4枚の花びら、中央にはおしべ、めしべが見えます。
ついでに、右上のほうにダンゴムシの姿も。写真を撮るときは気がつきませんでした。日中石の下にひそんでいるダンゴムシは夜になると堂々と活動しているのですね。マツヨイグサの受粉を助けるのはスズメガなど、夜に動き回るガの仲間ですが、ダンゴムシも受粉の手伝いができそうです。

オオマツヨイグサ、コマツヨイグサとも北アメリカ原産で、その後ヨーロッパで園芸に用いられ日本にきた帰化植物。江戸時代~明治時代に日本に入ってきたようで、大昔から日本に生えていた植物ではありません。

マツヨイグサという名前ですが、漢字で書くと「待宵草」と、字に意味があらわされています。
「宵(よい)」とは日がしずんでから夜中にかけて、だいたい21時くらいをイメージするとよさそうです。日が沈むのを待ってさく花、という意味が込められています。「夜に花を咲かせる植物を1つ選びなさい」という問題も出てきますから、マツヨイグサの名前の意味を知っておくことは大事なことです。
マツヨイグサという名前が風流なので、万葉集にも登場してもよさそうに思いましたが、万葉集が作られた当時は日本にない植物ですから、登場しないのは当然ですね。

「宵」といえば、天体の学習をするときに「宵の明星(よいのみょうじょう)」という言葉がでてきます。

夕暮れ時に、西の空にひときわ明るくかがやく金星を「宵の明星」、金星は太陽の近くをまわっている星なので、朝と夕方しか観測することができないので「明けの明星」「宵の明星」と見える時間帯で名前がついています。

金星についてはまたいずれ紹介するとして、オオマツヨイグサと「宵の明星」をセットにして頭に入れて夜の観察ができるといいです。

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