梅雨時の足元にホタルブクロが咲く
2024.06.12
雨の多い季節になりました。外がじめっとしたかんじで傘が手放せない。そんな季節。
公園の植物にはめぐみの雨なようで、元気いっぱい成長している様子がうかがえます。
傘をさす足元にほのかなピンク色を見つけました。
細長く下向きに咲いている花、ホタルブクロ。
ホタルブクロは6月を中心に花をつける植物、アジサイとならんで今のこの時期を代表する植物、
キキョウ目キキョウ科ホタルブクロ属で日本には古くから生息している植物です。
キキョウといえば秋の七草の1つですが、同じ仲間のホタルブクロのほうがひとあしはやく開花。
ホタルが入るのにちょうどよい大きさでホタルが入る袋だからホタルブクロという名前になったなど、ホタルブクロの名前の由来は諸説あるようです。
さて、自然現象の意味を考えることこそが理科の本質。
ホタルブクロは写真でもわかるとおり、花が下向きです。
通常植物は上に向けて花を開き、そこにチョウやミツバチなどの昆虫が飛んできて受粉の助けをするものです。真下にむけて花がひらいていては、チョウが口をのばしてミツを吸うのはむずかしそうです。
真下から入ることができそうな昆虫はハエとかミツバチとかでしょうか。小さめの昆虫がそっとしのびこんでミツを吸いそうです。
ホタルブクロの花の中はどうなっているんだろうと、花の真下から撮ってみました。
ホタルブクロの花を真下から見るときれいな星型に見えます。キキョウ目の植物は5枚の花びらがくっついている合弁花ですから、ホタルブクロも一緒。それがさらにラッパ状になっていることがわかります。
その中央には白くみえるめしべ、そのまわりに糸状のおしべが確認できます。ハチなどが入ればきちんと受粉できそうなつくりになっています。
下向きになっている特殊な花ですが、ここにも植物の生存戦略がありそうです。
今のこの時期は雨が多いですから、上向きに咲いている花は雨にぬれて花粉が流されてしまいそうです。ホタルブクロの花びらはおしべ、めしべを雨から守る傘のようにも見えます。春にはアブラナはじめ多くの植物がさいていましたが、6月になると咲いている花は一気に減ります。花粉が雨で流されるこの時期に花をつけることが得策ではないからでしょう。そんな時期でもミツがほしい昆虫はいるはず。ホタルブクロが花をつけることは昆虫にとっては貴重なミツ源となりそうです。
花と昆虫はお互いに助け合って進化してきていますから、そのあたりを考えていくと花を眺める魅力はさらに広がります。
さて、ホタルブクロの次は何の花が見つかるでしょうか。
前回の記事はこちら
- 小学生
- グループ指導
- 個別指導