道路わきのオレンジ色、ナガミヒナゲシ
2024.05.07
まだ5月ですが、暑い日が多いですね。
あと1ヶ月で夏至ですから、昼は太陽がかなり高く、日差しが強くなってきています。
そんな日差しをうけてさいている花が輝き、そこに集まる昆虫も増えてきました。
受講している数人の生徒から、近所にたくさん咲いていると同じ花の写真が送られてきました。
私の近所でも、駐車場わきや、道路わきの植え込みなどで見かけます。
こちらも道路わきの街路樹の一角なのですが、オレンジ色の花で覆いつくされていました。
このオレンジ色の花がナガミヒナゲシです。
ナガミヒナゲシはキンポウゲ目ケシ科ケシ属。
キンポウゲ目という名前に覚えがある方は過去の記事を見てくださっていることかと思います。
紹介したフクジュソウがキンポウゲ目キンポウゲ科でした。
フクジュソウは黄色、ナガミヒナゲシはオレンジと色が違うのは見てすぐわかりますが、
花びらの枚数もまったく違います。
一方で葉に注目すると共通する部分が見えてきます。
1枚のまるみをおびた葉ではなく、葉先が細かくわかれているという点ではナガミヒナゲシとフクジュソウは似ている部分といえます。
キンポウゲ目は原始的な形態を残したグループとしてくくれられていますが、こういった葉の形が原始的な植物とみることができそうです。
国立環境研究所ホームページによるとナガミヒナゲシは1960年代に東京都内で確認、全国に分布している帰化植物とありました。帰化植物は中学受験で学習する内容としてセイヨウタンポポ、シロツメクサなどでおなじみです。ナガミヒナゲシについては私は10年くらい前だったか、最近たくさん咲いているこれはなんだろうと調べて知った記憶があります。
近年は畑などでもナガミヒナゲシが生えていることは多くあり、駆除することも多いようで、ただ、毒があるので素手で切り口にはさわらないほうが無難です。
さわることはしませんが、せっかくなのでナガミヒナゲシの花に近づいてみました。
ナガミヒナゲシの1つの花はオレンジ色の花びらが4枚、中心にはめしべ、そのまわりに大量のおしべが見えます。
めしべの先端は中央から放射状に7本の白い線。花によって線の本数が若干異なります。
この線の部分が内側にある子房の壁になっていて、内部に大量の種子が作られます。
花びらが落ちた後は子房の部分が残るので、時期がたつと、細長く子房がのびたナガミヒナゲシを多く見るようになってきます。
なんとなくながめているときれいなナガミヒナゲシですが、繁殖力が強いので、増えるとけっこうやっかいな帰化植物です。
皆さんのまわりで見かける花にはどのようなものがあるでしょうか。
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