ブランコでひとは振り子になる
2024.04.19
入試問題の題材としてよく取り上げられるものから、振り子について紹介します。
振り子は小学5年生の「物の運動」の単元で、運動の1つとして出てきます。ここでいう「運動」とは、体を動かすことではなく、ボールが転がるとか落下するとか、どのような動き方をするかという内容です。
授業に参加している生徒に聞くと、学校で実際に振り子をつかって往復する時間をストップウォッチを用いてはかる実験をすることもよくあるようです。
ポイントは以下のとおり。
・高いところで手をはなした振り子は次第にはやくなり、最下点で一番はやくなる
・手をはなした高さと同じ高さまであがったところでいったん止まり、その後反対向きになる
・振り子に用いるひもを長くすると、1往復にかかる時間(周期)が長くなる
・おもりの重さは周期に影響しない。
日常生活振り子の仕組みを利用した道具は、メトロノームや振り子時計があります。
振り子時計を見る機会はなかなかないでしょうから、日常生活と結びつきにくく感じるかもしれません。
そういうときは自分自身が振り子になってみるのがおすすめです。
振り子といえば公園のブランコ、入試問題でも振り子の1つとして題材となっていることがあり、今年の入試問題でも取り上げられていました。
ブランコをテーマにした振り子の問題の定番は「座りこぎ」と「立ちこぎ」です。
皆さんはどちらでこぐことが多いでしょうか。立つと目線が上からになるので、見える景色が変わるというのもありますが、ブランコの動き方もかわってきます。
振り子の周期を決めるのは「振り子の長さ」です。ブランコにつるされているひもの長さは座りこぎで立ちこぎでもかわりませんが、「振り子の長さ」は変わります。「振り子の長さ」はひもの長さではなくひもの上のはしから、つるされているおもりの重心までの距離をさします。1mのひもを使ったとしても、振り子の長さは1mではないということです。
立ちこぎをすると、体全体が上にあがります。体があがるということは重心位置も上にあがることになるので、その結果、「振り子の長さ」が短くなります。長い振り子は周期が長くなる、でしたから、立ちこぎをすると周期が短くなります。
振り子の長さと周期は以下のような関係であることが教材に掲載されています。
振り子の長さが25cmから100cmへ4倍になると、周期は1.0秒から2.0秒へ2倍になります。
表の数字はとなりを見比べても関係性が見えてきません。となりの数字をとばして、2倍、4倍となるところをさがしていくことがポイントです。
それにしても、振り子の長さ400cm(=4m)で周期を測るというのはけっこう大変な実験です。
実際やることはないと思いますが、くれぐれもお気をつけて。
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