桑名正和(くわなまさかず)

フクジュソウ~早春の黄色い花

2024.02.23

 夜はまだ冷えこむ日もありますが、昼の日差しがあたたかく、春の空気を感じます。
 学校は小学3年生でも、中学受験の小学4年は2月スタート。小学4年の理科は季節ごとの動植物を学びます。春には多くの植物が花をつけますから、「春の植物」のページはかなりはなやかです。近年の中学受験はフルカラーな入試問題も多く、植物の写真から名前を答えるものもあります。

 春の植物の中で「雑木林などの山林で花をさかせる草」として紹介されているものがこちらのフクジュソウです。

 足元の低い所に黄色い花を広げています。足首くらいの高さなので、まっすぐ前をむいて歩いていると、その花の存在に気がつかないかもしれません。そんなフクジュソウはサクラが咲く前、2月~3月に見られる花です。

 フクジュソウは日本原産、漢字でかくと「福寿草」となんともおめでたい名称。旧暦の正月にあたる2月上旬に咲く花がフクジュソウ。旧暦は月の満ち欠けをもとにして1ヶ月が決められています。月の満ち欠け周期は29.5日周期、これも小学4年で学習する内容です。2024年は新月になる210日が旧暦の正月です。この時期に咲く黄色の花はなかなかないので、おめでたい花となったようです。生えている雑木林はこの時期まだ葉をつけていないので日光は地面までふりそそぎます。4月、5月とだんだん木に葉をつけるようになると、地面に光があたらなくなり、フクジュソウは花も葉も落とし翌春を待つことになります。

 フクジュソウの黄色の花はタンポポっぽくも見えますが、分類上はまったく別でキンポウゲ科の植物です。
キンポウゲ科という名前にあまりなじみがないかもしれませんが、花屋などで見かけるアネモネやクリスマスローズが同じキンポウゲ科。根に猛毒をもつことで知られるトリカブトもキンポウゲ科です。フクジュソウの根も毒がありますから見て楽しむだけにしましょう。

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