桑名正和(くわなまさかず)

冬になると見かけるハボタン

2024.01.26

 例年よりややあたたかく感じる冬ですが、木々は葉を落として花も少なくなり、街路樹や公園の光景はややさびしいかんじがしてきます。そんな中で白と紫に彩られた光景もこの時期ならではです。

 普段通る道路わき、街路樹近くにハボタンが植えられていました。太陽の光が当たると一層輝いています。
ピンク色がきれいなボタンの花がありますが、種類はまったく別です。ボタンはボタン科、こちらのハボタンはアブラナ科の植物です。ハボタンはヨーロッパ原産で江戸時代の終わりころに持ち込まれて広く栽培されてきたといわれています。キャベツに似たい形状の葉にも見えることがアブラナ科であることを感じさせますが、アブラナ科であることを知っている人は多くないような気がします。

 アブラナ科の植物は入試では定番中の定番です。小学4年のはじめにモンシロチョウについて学習するときに、モンシロチョウがエサとして食べる植物がキャベツをはじめとするアブラナ科。モンシロチョウの成虫はアブラナの花を飛び回って、葉のウラに卵を産み付けています。

 ハボタンもアブラナ科ですから、チョウが卵を産みに来る、チョウの幼虫が見られる植物と考えてよさそうですが、あまりそういう印象もなく。公園などに植えられているハボタンは春になると別の植物に植え替えられることが多いようで、あまり残っていません。

 ハボタンをそのまま育て続けるとこのようなかんじなります。ここからは昨年の春先に見つけた光景です。

これがハボタン?となるかもしれません。
中央から茎がのびて先端に黄色の花を咲かせます。これくらい成長するとアブラナ科らしさを感じることができるともいえます。
 穴がたくさんあいているハボタンは近づいてみると

 アオムシの姿が。アブラナ科ですから、モンシロチョウがいつのまにか産卵していたようです。葉が食べられてしまうと、見た目がいまひとつになってしまうので、そうなる前に別の植物に植え替えられることが多いのでしょうね。私としてはモンシロチョウの幼虫を見られる貴重な機会なので、ハボタンはずっと植えられたままでいてほしいと思っています。

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