桑名正和(くわなまさかず)

イチョウは絶滅危惧種?

2023.11.10

 今年は秋になっても暑い日がつづいていましたが、それでもだんだんと季節は流れていきます。
肌寒さを感じるようになると木の葉が色づいてきて、見上げたイチョウにはギンナンがたくさんついていました。

 公園、神社、道路わきなどいろいろなところに見かけるイチョウですが、今回はタイトルにあるとおり、絶滅危惧種指定されているという話です。今回はそのあたりの紹介です。

 絶滅危惧種については生物や環境問題にからめる形で入試問題の題材にされてきています。ニホンオオカミ、イリオモテヤマネコといった哺乳類、コウノトリ、アホウドリをはじめとした鳥類などがよくでてくるもの。阿寒湖の名産品であるマリモも絶滅危惧種です。

 イチョウは葉の形がかなり独特です。葉の付け根から葉脈とよばれるすじが放射状に広がることで独特の形状をつくりあげています。受験生にとっておなじみな葉脈は双子葉類の「網状脈(もうじょうみゃく)」と単子葉類の「平行脈(へいこうみゃく)」ですが、イチョウはそのいずれでもない葉脈ということでもイチョウだけが特殊な植物であることがうかがえます。

 さて、イチョウはというと、1998年にIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種レッドリストに掲載されました。絶滅危惧種な理由はいろいろなところで見かけるイチョウが1種類のみで、他の多くのイチョウはすでに絶滅してしまっているからなようです。

 イチョウは2~3億年前から生えている植物。キョウリュウの化石と一緒にイチョウの葉の化石が見つかることもあることから、キョウリュウが活発に動き回っていた時代にイチョウがはえていたことがわかっています。日本のイチョウはじめ化石として見つかったイチョウは17種あります。日本で発掘された化石のイチョウはじめほとんどのイチョウが絶滅、唯一生き残ったのが中国のイチョウで、今日本でも見かけるイチョウは中国にはえていたものをもってきて植林して広まったとされています。

 紅葉シーズン、いろいろなところで見かけるイチョウは、長い地球の歴史をきざんだもの。そんなことも感じながら眺めるイチョウはまた一味違った趣がありそうです。

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