秋の七草「ハギ」
2023.10.20
夏の暑さが過ぎると、秋の花が咲きだします。
都会の公園の一角に、日当たりの比較的よいところで、ピンク色に染まる光景がありました。数年前まで、何か咲いているな、とあまり気にせずに通り過ぎていました。
そんなこちらの花は秋の七草の1つ「ハギ」です。
ハギは2mくらいの高さにのび、落葉低木として分類されていますが、木の幹はなく樹木とは少し違うかんじです。
花に目がいきがちですが、葉を見てみると、同じところから3枚のまるみをおびた葉がでている様子シロツメクサに似ています。
ハギはマメ科ハギ属に分類されています。シロツメクサと同じマメの仲間というのが葉の形からもわかります。マメ科共通の特徴、花びらは5枚で花びらの形が同じではありません。上側に大きな1枚の花びら、横と下に4枚。全体的に横向きに花をつけていて、横向きにのびたおしべとめしべは上を向き、昆虫に花粉がつきやすくなっています。これらマメ科特有の花の形状です。
ハギは北アメリカと東アジアが原産、昔からかなり広域に生息していて日本にも昔からはえていました。奈良時代につくられた万葉集にハギも多く登場しています。
その中でも山上憶良が読んだのが今に伝わる「秋の七草」
ハギの花 オバナクズバナ ナデシコの 花ヲミナエシ またフジバカマ アサガホの花 (万葉集8巻1538)
補足しておくと、オバナはススキ、アサガホはキキョウをさしているといわれています。
ハギの花が秋を代表する最初に登場しています。
そんなハギなのですが、秋は花をつけるので目立ちますが、春には花だけではなく葉もあまりみかけません。
一度たくさんの花をつけた枝は翌年にはあまり花をつけず、新しい枝に花をつけていく傾向があるので、公園や庭園などで見かけるハギは咲き終わったあとの枝を切り落とすことが多いようです。切り落とすと春にまた新しい枝を伸ばし、花をつけていきます。
街中でハギの花を見かけたら、どなたかが手入れをしてくれていることに感謝しつつ、次の花を探しに行きましょう。
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