桑名正和(くわなまさかず)

今年はヒガンバナが遅いのはなぜ?

2023.09.22

 9月になって気が付いたらもう後半。はやいもので、すっかり秋も本番・・・
と言いたいところがまだまだ暑くて、とても秋とよべる雰囲気ではありません。
9月後半といえば秋分の日もありますので、この時期ならではの花があります。

昨年の記事⇒ヒガンバナの咲く秋

 昨年の今ごろは独特の赤い花びらをつけてヒガンバナを多く見かけました。
ヒガンバナは球根で育ちますから、特に抜かない限り毎年同じ場所で見ることができます。
道路わきでよく見かける場所に足を運んでみました。

 茎の先に赤いものが。つぼみ、ですね。
 つぼみの状態を見かけるのもけっこうめずらしいかもしれないです。

  以前紹介したことになりますが、ヒガンバナは毎年同じ時期に見られるといっても、太陽が出ている昼の時間ではなく地温の影響で花をつける植物です。今年は暑さが続いているとあって例年より遅いようです。
まだまだ真夏の暑さが続くので、つぼみすらできなさそうに思いますが、意外とそうでもなさそうな。地温は気温の高さと必ずしも連動していなさそうです。地温はどのようにかわっていくのでしょうか。
 地面の熱が空気に伝わって気温が高くなる、というのは理科の学習ででてきますが、気温というのはそれだけではなく、南から暖かい空気が吹き込んでくるとか、海流の動きとかにもよってきます。
 地温を上げるのは太陽からの放射熱。たとえ猛暑といっても、日の出、日の入り時間が変わることはないですから、雲の多少はあるにせよそこは毎年かわらないことになります。9月になって昼の長さが短くなってくるのは共通なので、地面が受ける太陽の熱が減り、気温が高いといえ地温の上昇はおさえられることになります。

ヒガンバナが咲いている場所も少しではありますが、見つけることができました。
公園の片隅とか、もともとあまり日が当たらないような場所だと、地温が下がるのもはやいのかもしれません。

 この夏の猛暑で影響を受ける花と、そうでない花、いろいろあります。
秋だから見られる光景がこれから増えてきます。
皆さんのまわりにはどんな秋があるでしょうか。

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