オオバコはふみつけに強い
2023.07.04
晴れて暑い日と、雨の日とで今の時期植物がどんどん多くなっていきます。
アジサイのように目立つ花をつければ誰の目にもとまりそうですが、一方で足元にもさまざまな植物がみられます。
こちらは、公園の片隅の光景。
特に何か花がさいているわけでもないので、「これが何か?」といったかんじでしょうか。
もう少し寄ってみます。
地面にはうように広がったまるっぽい葉と、たてに細長くのびた茎と先の方が少し白くなっていて、これが花?
この植物は小学4年の「夏の植物」で学習するオオバコです。教材では「目立たない白い花」として紹介されていて、文章を読んでいるだけだと、白という言葉だけが頭に入っても実際どうなのかまではわからないままでいそうです。
写真をみていただければ、なるほど、想像以上に目立たない、となるのではないかと思います。
オオバコといえば「ふみつけに強い植物」ともかかれています。オオバコの花言葉に「足跡」というのがあるようで、花言葉からも「ふみつけに強い」ことを思わせるというのがすごいです。
ふみつけに強いとひとことで言ってもどういうことなのでしょうか。地面に直接葉をひろげているので、倒されたり折れたりしにくいというのはありそうですが、同様な葉の付き方をしているのはタンポポも一緒です。でもオオバコだけが「ふみつけに強い」という表現になっています。
こちらの秘密ですが、どうも葉だけではなく種子にもあるようです。
オオバコの花がさいたあとできた種子が地面に落ちるのですが、その種子が雨にぬれるとねばりけをもつようになります。オオバコの種子が落ちている地面がふみつけられると、その足に種子がつき、種子が運ばれて遠くの地面に落ちます。オオバコは踏まれることでいろいろな場所に広がって生えることができるという、ふみつけられるからこその強さを持った植物でもあります。
オオバコは双子葉類の中のオオバコ科の植物、オオバコとして独立した科になっています。葉は地面の中からでていて、茎は花をつけるだけの「花茎」で、茎から葉はでていません。
他の植物にはない特徴として、葉脈に注目です。
葉の基部から白っぽいすじが数本のびています。この葉脈は「平行脈」とよばれる、イネをはじめとする単子葉類の特徴です。
双子葉類は網状脈として学習しますが、オオバコはその例外となる数少ない平行脈の双子葉類です。
目立たない花のオオバコ、気が付かないうちにふんでいるかもしれません。足元を確認してみましょう。
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