雨の季節、「線状降水帯」に注目
2023.06.16
目が覚めると外からざーっと雨の降る音がつづいています。
窓の外から差し込む光はいつもよりも薄暗くて、いまひとつすっきりしないそんな朝です。
天気予報では「線状降水帯」ということばを多く聞くようになりました。
中学入試は、1年間におこった気象現象を題材にして問題が作られることは多くあります。「線状降水帯」という言葉についても出題されたことがあります。
今回は「線状降水帯」についてまとめてみました。
そもそも「線状降水帯」とは、字のとおり、線状に大雨をふらせている部分をさします。ニュースなどで日本地図上に降水量分布がでているものを見ると、たしかに大雨が降っている場所は、広い範囲といよりは、細長い帯のようなかんじになっていて、同じ都道府県内でも、降水量はかなり違っている場合があります。
その原因になっているのは、雷をともなった大雨を降らせる雲として学習する「積乱雲」です。おそらく雲の名前を答える問題として一番出題される雲です。雨を降らせる雲といえば、積乱雲と乱層雲がありますが、積乱雲といえば、きれいに晴れた真夏にもくもくと壮大にうかびあがる入道雲としておなじみのあの雲です。真夏の積乱雲は晴れている空を一変させて大雨を降らせます。
その積乱雲が50~300kmの長さになった部分が線状降水帯です。上空は西から東へ偏西風がふいているので、西から東へ細長くのびるのが一般的です。晴れた夏の空であれば、積乱雲がふらせた大雨は短時間であがることが多いのですが、長くのびた積乱雲だと短時間では雨があがらず、降り続けることになります。
2021年6月17日から気象庁により線状降水帯発生情報が出されるようになりました。さらに、2022年6月1日から気象庁は線状降水帯予測を開始し、線状降水帯が発生する可能性があることを予報するようになり、2023年からは発生した線状降水帯の発表を30分はやめるようにとしたなど、線状降水帯という言葉もさらに注目度を増しているようです。
2023年6月2日には奈良県南部から和歌山県、高知県にかけて線状降水帯が発生、さらに午前11時の段階で、6月2日の夜から翌朝にかけて関東甲信で線状降水帯が発生する可能性があることが発表されました。昨年スタートした線状降水帯の「予報」です。
雲がどうできてどう動いて、どのように雨を降らせるのか、災害情報にも気を付けつつ、実際に起こっている出来事から学習を深めていきましょう。
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