ドクダミの花をじっくり見ると
2023.06.13
気温が高くなってくると、雨の日も多くなりますが、そんな雨の日に傘をさしてあるいていると足元にこじんまりと白くさく花が目にとまります。4枚の白い花びらのようなものを十字型に広げているのはドクダミの花。
ドクダミは花だけではなく葉も特徴的です。まるみをおびていて先がとがった形はスペードのマークにも見えます。他の植物よりも濃い緑色をしています。
ドクダミはドクダミ科として独立した科の植物。日本をはじめとする東アジアに広く生育している多年草で、地下茎で冬越しをするので何年も同じ場所に生えてきます。湿気が多い場所を好む性質は日本の気候にあっているようで、雨が多くなる5月頃から増えてきて、梅雨の時期はかなり広範囲で見られます。
ドクダミの花は真ん中が盛り上がった不思議な形状をしています。
じっくりと見てみましょう。
中央のもりあがったところをよくみると、薄黄色のまるいかんじのものがたくさん見えます。
ところどころ、先端が2つに分かれているものもあります。
花のつくりを学習した皆さんはひょっとしてこれって、と気が付くところがあるかもしれません。
2つにわかれているところがめしべです。
薄黄色のまるいものがたくさん見える部分がおしべの葯(やく)の部分で花粉が作られています。
写真ではめしべとしてはっきりわかるのは1つですが、実際はめしべのまわりをおしべがとりまくようにしていて、めしべもたくさんあります。つまり、この中央部分に大量の「花」があるということになります。
中央に大量の花ということは、花びらは?となりますよね。4枚の白い花びらに見えるものは実は花びらではありません。花びらではなく「総苞(そうほう)」とよばれる部分です。「総苞」はこれまでにも紹介したことがありました。タンポポの花の付け根やハナミズキの花びらに見える部分が総苞です。ドクダミも花びらに見える白い総苞をつけることでそこに花があることを示し、中央には花びらを持たない花を大量につけているという、そんな花のつくりです。
ドクダミは薬草としても知られています。ドクダミという名前そのものが毒をおさえる「毒矯」や「毒溜」からきたという説が有力なようです。現在でも漢方薬の1つとして用いられることもあるほか、ドクダミ茶も広く市販されています。
そんな薬草なら食べても大丈夫なものなのかなと、葉を1枚とって数回かんでみました。口の中になんともいえない香りがひろがって・・・。毒はないみたいですが、素人はやらないほうがよさそうです。
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