ハナミズキの花びらはどこ?
2023.04.20
道路わきのサクラが咲き終わると、入れ替わり花がさいているのを見かける木があります。
薄緑色の葉と一緒に白い大き目の花がハナミズキです。
とある歌の歌詞に登場する薄紅色のハナミズキもところどころに。
ハナミズキはミズキ科の落葉高木で、北アメリカ原産。
もともと日本には生えておらず、1912年に日本からアメリカ合衆国にソメイヨシノをはじめとする日本のサクラを寄贈、その返礼としてアメリカ合衆国から日本へ贈られたとされるのがハナミズキ。
ソメイヨシノの咲き終わりと入れ替わりで咲くことも、街路樹として植えられている理由の1つになっているようです。
ハナミズキの花をじっくりながめると、大きな4枚の花びらの中におしべとめしべが・・・
と見えますが、実はそうではないというのも不思議なところです。
大きな花びらに見える部分は「総苞(そうほう)」とよばれており、中央にある花を守っている部分。植物にとって、花びらの役割は昆虫を引き寄せることで、ハナミズキの総苞も役割としては他の花びらと同じです。ヒトが見ても、花が咲いているというのは花びらをみてわかることですから。
なぜ、花びらと呼ばないかというと、花が開く前の状態がどうなっているかがポイントなようです。
通常花はつぼみの状態で花びらはつぼみの内側にしまわれていて、つぼみが開くと中の花びらがとびだすようなつくりをしています。それに対してハナミズキの場合、つぼみの一番外側にあたる部分に白や紅の色がついて大きく開くというかんじです。総苞が開いたのちに、中央の小さな花が開花します。
中央の小さい花が開くと、その中からさらに小さいおしべなどがとびだしてくるので、それを見ると中に1つ1つの花があることがわかります。
総苞といえば、中学受験の理科ではタンポポの花で学習します。タンポポの花には1つの大きな花の中にたくさんの花びらがあるように見えるものが、実際は花びら1枚に見えるところが1つの花で、多くの花が集合してさいています。そして、その付け根の部分にあるものが総苞です。
花は遠くから眺めて楽しむのもいいですが、近くでじっくり見るとまた別の魅力がみえてきます。
道路わきにさいている花をみつけたら、一度足をとめて近づいてみると新たな発見があるかも。
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