桑名正和(くわなまさかず)

コケの胞子体

2023.02.21

 雨あがりの地面にコケが広がってはえているのを見ることがよくあります。
コケの生命力はすごいもので、コンクリートの上とか土がまったくないところでもはえていることがあります。長い地球の歴史では、海で誕生した生命が陸上に生活圏をうつしていくなかで、現在から4億年~5億年前にコケの仲間が初めて陸上に進出した植物といわれています。
 何もないところに突然コケがはえるのは、空気中をコケの胞子がとんできて、それが地面についたから。
 胞子は風にのってやってくるので、火山が噴火して溶岩が流れたあとの岩場になったところにもはえることができ、将来的に森林が出来上がるまでの最初の段階をつくりあげます。

今回はコケが生えた地面をじっくり観察です。
コケをよく見ると「胞子体」を見つけることができます。
どこにあるかわかるでしょうか。
茶色く先がとんがっている部分です。
「胞子体」の中には0.1mmにも満たない粉状の「胞子」がたくさんつまっています。
この胞子が地面におちると、そこから発芽して、コケ本体ができあがります。
 コケ本体は晴れて乾燥するとあっというまにかれてしまいますが、胞子は乾燥に強いので、地面に落ちた胞
子は雨がふるとあっというまに発芽して広がっていきます。

 雨あがりにコケがはえているのを見たら、胞子体をみつけてみてください。

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