『数学の歴史を紐解く!河野の数学いろいろ講座』
2022.07.28
みなさん、こんにちは。
リンスタ数学担当 河野 です。私のブログでは、「数学の歴史」を追う中で、そこから知られる雑学について書いていきます。実は日頃の授業でも、こんな話がしたくてウズウズしてるんですけどね。限られた授業時間であまり深い脱線話はできないものですから、興味のある方は是非こちらでお付き合いください!
さて、初回は『三角形の相似』についてです。これは学校教科書では、中3生が学ぶ単元。まずはこの考え方を簡単に説明します。例えば、以下のような2つの三角形を見比べてみましょう。
2つの三角形は角度がすべて等しく、つまり「形は同じ」と言えますね。このような2つの三角形の関係を『相似』と言います。そしてこれら三角形の底辺を見ると、三角形Qは三角形Pを2倍に拡大したものであると分かります。これを利用すれば、三角形Qの中の辺xの長さは、8cmであると分かります。
このような考え方を見つけたのは、タレスさんという学者だと言われています。この方が生きたのは、何と紀元前600年頃!今から2500年以上も前なのです。古代ギリシアの哲学者であったタレスさんは、自分の身長と自分が作る影の長さ、そしてピラミッドの作る影の長さから、ピラミッドの高さを測定したと言われています。これは、上で説明した相似の考え方と全く以て同じですね。
ちなみに、タレスさんは日食を予言した最初の学者としても知られているうえ、世界の起源を神話的なものではなく、科学的に説明しようとした最初の人間であるとも言われています。数学は数学単体としても面白い学問である一方、現象を科学的に説明するツールでもある。だからこそ、昔の学者さんたちの多くは複数の学問に通じているのです。
何かが皆さんの興味に繋がれば、という想いのもと、「この勉強って、何に活きるの?」ということも今後、触れていきますね!
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