天王山の夏 親の役割と心構え
2023.08.04
夏休みに入りました。
レジャーや旅行など、楽しみなことも多い季節ですが、受験生のお子さまにとって、やはり夏は勉強の夏。古くから「夏を制するものが受験を制する」そして「夏は受験の天王山」と言われています。
こちらをご覧になっている方でも、お子さまの受験が「初めての中学受験」という方も多いと思います。この夏、我が子の為に、親は何をすべきなのか、子どもとどのように向き合うのか、改めて考えてみましょう。
オン時間とオフ時間
一日24時間、全てが「自由時間」の夏休み。
受験生は、多くの時間を学習に費やすことになります。
しかし、学習以外の睡眠、食事、入浴、息抜きといった時間もそれなりにあるはずです。
集中度合いや気持ちの面で、学習時間は「オン時間」ですから、学習以外の時間は「オフ時間」と呼ぶことができます。
オン時間は長時間となり、お子さまの四苦八苦する姿も見受けられます。
親としても自分の経験を活かし、「もっとこうした方が良いのでは…」など、色々と気にかかり口を出したくなるものです。
ただし、オン時間の使い方・向き合い方は、子ども自身で管理するのが理想です。
塾の先生から具体的なアドバイスが出ている場合などを除き、オン時間は「見守り役」に徹していただくと、結果的に吉となるケースが多いです。
ここまでくると、すでにお分かりのように、親の出番は「オフ時間」です。
オフ時間と言うと、受験生がスケジュール表に書く時は「その他」のような括りで、特に気にされる事のない時間になっている事もあります。受験生自身はそれでも良いでしょう。
ただし、サポート役となる親は、違います。
受験の夏、親の役目は「オフ時間の管理と充実」に尽きると言えます。
では、管理と充実とは具体的にどういう事なのか、確認していきましょう。
オフ時間の管理
まずは「管理」です。
例えば、オン時間の合間に挟まってくる、休憩時間。
この休憩が長すぎたり、決められた時間以上に動画を観たり、ゲームをしている…という場合は、オン時間に戻す必要があります。
その手伝いをする事が、親の役目の一つです。
心の中で「またダラダラ動画みてるよ!」と叫んだとしても、ご理解いただいているとおり、そのまま口に出したところで良い流れにはなりません。
「フルーツの香りのお茶があったから買ったんだけど、一緒に飲まない?」
「アイスあるけど一緒に食べる?」などと誘い、今やっている事から一旦引き離した上で、
「ごめん、ごめん、国語やる時間だったっけ?」と誘導すると、嫌な空気にならずにオン時間に戻せる事があります。
受験生は集中する時間が長くなり疲れています。管理というと固いのですが、ねぎらいの気持ちを持ち、あくまで笑顔でソフトに行っていただけると、家庭内の良い空気を保てます。
そしてこの良い空気こそが、受験生のオン時間の充実にもつながります。
オフ時間の充実
では、「充実」とはどういう事でしょうか。
見落としがちになる事もありますが、
良質な睡眠が取れているか、しっかり気分転換できたか、といったオフ時間の充実は、オン時間=学習時間の充実に直結します。
長時間の学習を終えてリビングに入ってきた時、または食卓に着く時、
親が笑顔で「おつかれさま!」と声をかける事で、緊張がほぐれて安心した気持ちになるものです。
食事中に勉強以外の事を話題に出し「さっきこんなニュースをやっていて…」と会話をするなども良いでしょう。
時には、家族で外食したり、子どもの希望を聞いて遊んだりする時間を持つことも、良い気分転換となります。そういった時間、機会を作ることは、親の役割となります。
こうしてオフ時間にリラックスし英気を養う事が、オン時間のやる気に繋がります。
良き相談相手になる
家庭内で良い空気感をつくれていると、子どもから「学習が計画通りに進んでいない」など、オン時間に関する相談を持ち掛けられる事があるかもしれません。
オン時間に関しては、口出しせずに見守るのが吉と述べましたが、そのような場合はしっかり話を聞いて一緒に考える時間を持ちましょう。
一方で、計画通りに進んでいないように見えても、子どもが塾の先生と相談し自分で改善しようと努めているようなら、そっと見守る事も大切です。
否定的な声がけは、子どものやる気をそぎ、もう親と話したくない…という態度につながります。肯定的な言い方に努め、笑顔で「いつもあなたの味方だよ」という気持ちが伝わる姿勢を見せ続けたいものです。
いつも笑顔で、子どもの味方でいるために
親だって人間ですから、当然、イライラしたり、不安になったり事もあります。
親が不安を抱えていると、つい否定的な言葉を口走ってしまったり、態度に表れたりしてしまいます。
心配な事があれば信頼している塾の先生に相談するなど、親自身も不安の払拭に努めてください。
家庭内の良い空気感を保つためにも、「いつもあなたの味方」という態度でいること。
親の姿勢が問われる夏です。
がんばる我が子と一緒に、この夏を走り抜けましょう!!
保護者さまご案内担当 大渕千紗子
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