食で応援!集中力を維持する受験生の食事
2023.04.28
受験生が力を発揮するために、心も体も健康な状態であることが重要なのは、言うまでもありません。
その為に保護者が支援できることの一つに“食事の用意”が挙げられます。今回は、受験生が受験当日を健康に迎えられるよう、受験生の食生活について考えていきましょう。
◆その1.何を食べるのか
「○○を食べると体に良い」といった情報は、ちまたに溢れていますが、
栄養素は体の中で互いに作用し合って働く為“全ての栄養素をバランスよく摂る”ことが最も大切です。ではバランスの良い食事とはどんなものなのでしょうか。
◇主食・主菜・副菜がそろった食事を1日2回!
農林水産省が紹介している「ちょうどよいバランスの食生活」によると、
「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる」のがおススメのようです。
色々な食材を食べることで、必要な栄養素を摂取できるとのこと。
料理をいくつも作ったり買ったりするのは大変でも、具だくさんの料理にすることで実践しやすくなるようです。
◆その2.集中力を維持する食べ方
何を食べるかと同様に重要なのが、その食べ方です。食事のあとに眠くなってしまった…という経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。
ただし、試験中など大切な場面で眠くなるのは絶対に避けたいところです。
そこに関係してくるのが、交感神経と副交感神経の2つからなる“自律神経”です。
◇集中力が働く時はどんなときか
私たちの体は、交感神経と副交感神経の働きがバランスを保って、体内の機能を調節しています。
交感神経は、活動時や緊張、興奮している時に活発に働きます。そして本来日中は、活動するために、交感神経が優位に働くようにできています。
一方副交感神経は、リラックスしている時やお休みモードの時、さらに消化時に活発に働きます。
2つの神経はどちらかが優位に働くようになっており、同時には成立しない為、お腹がいっぱいだと消化するための副交感神経が優位になり、お休みモード、眠くなる…という訳です。
つまり、授業に集中したい、試験問題を解く、といった集中力を発揮したい場面では、交感神経が優位に働く必要があるのですね。
◇食事の仕方
とは言え、食事をしない訳にはいきません。
空腹で試験に集中できないようであれば本末転倒です。またエネルギー不足では脳も働きません。
眠くならず、脳にエネルギーを届けることができる食事の仕方がベストという事ですね!
これらを考えた時に注目したいのは“血糖値”です。血糖値とは、血液中に含まれる糖(ブドウ糖)の濃度の事で、食事の前後で濃度は変わりますが、様々な理由から血糖値の急上昇、急降下が、眠気やだるさに繋がることが証明されています。
血糖値を安定させた状態が維持できるような食事とは、どのようなものでしょうか。
◇食物繊維とたんぱく質
食事で摂った糖質がブドウ糖に変わり体内に吸収される際、野菜、海藻、きのこなどに多く含まれる食物繊維は、ブドウ糖の吸収を遅くし、血糖値の急激な上昇を抑えることが分かっています。
また日頃から、たんぱく質をしっかり摂取し、筋肉を維持することも重要です。筋肉の役割には、余分なブドウ糖を貯蔵する働きもある為です。筋肉が減るとブドウ糖を十分貯蔵できず、血糖値が上がりやすい体になってしまいます。
受験生活では運動不足になりがちですが、筋肉維持の為に運動を取り入れる事も必要なのですね。
食物繊維とたんぱく質を十分にとることで、血糖値を安定させる効果が期待できそうです。
◇それでも眠くなってしまう時は
「それでも眠くなる…」という人は、一度に食べる量を少なくして、食事の回数を増やし、トータルで必要な栄養素を摂る“分食”もおすすめです。
試験当日も昼休憩の時間だけでなく、科目と科目の間の何か口にすることが許されるのなら、小休憩時に少し何か食べておくと、一度にたくさん食べる必要がなくなります。もちろん間食時も、血糖値が上昇しやすいものではなく、食べやすく血糖値も上がりにくいミックスナッツなどが良いでしょう。
学力向上と同様、健康な体は一日にしてならず。
次の冬に受験生が全力を尽くせるよう、そして支える家族も健康でいられるように、
この春から毎日の食生活を整えてまいりましょう!
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