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中学受験のための勉強小6からでは遅い!?【前編 公立中受験の場合】

2023.04.05

A…中学校によります。

一口に中学受験といっても、大きく分ければ公立(国立含む)中学校入試私立中学校入試に分類できます。前者は基本的に小学校学習指導要領で定められている学習範囲のみを題材として試験問題が作成されます。いわゆる公立中高一貫校では「入学試験」ではなく「適性検査」と呼称することもありますが、出題内容はやはり学習指導要領の範囲内とされています。一方で、後者は小学校指導要領の範囲を超えて出題されることが主になっています。算数における特殊算(つるかめ算など「〇〇算」と呼ばれるもの)などはこの代表例です。近年でこそ検定教科書でも特殊算に相当する題材が一部扱われるようになっていますが、公立小学校の授業においてこれらが中心的に指導されるとは考えにくいものです。

では、学習指導要領で定められている学習範囲のみを題材としている公立中学校入試であれば、小6からの対策学習で間に合うと考えられるのでしょうか。

A…時間的な余裕はありません。

まず注意すべき点といえるのは、全国に設置されている公立中学校の一般入学試験(適性検査含む)の実施日が設けられるのが、おおむね年内の11月から翌年2月と幅があることです。例外も存在しますが、公立中学校の場合は原則として在住している都道府県内・市区内の学校のみ受験できる、といった制約があります。よって、お住まいの地域において受験できる公立中学校の入学試験日が11月である場合は小6になる4月から10月の約7か月を受験対策の学習時間として確保できます。また、入学試験日が翌年2月である場合は約10か月を確保できることになります。この7~10か月の学習時間が短いといえるのか、または長いといえるのかは、受験する中学校の出題の難易度や合格倍率、出題傾向に左右されるので一概に言い切れません。ただ、過年度に出題された実際の問題(いわゆる「過去問」)を解くための演習の時間も不可欠ですから、「時間的な余裕はない」といえるでしょう。

また、特に公立中高一貫校の出題内容は読解力・記述力を図ることに重点を置いた作りになることが多い特徴があります。また、主に記述形式の解答を求められる設問が多数を占めると制限時間の設定がかなりタイトになります。いくら教育指導要領の範囲内の出題とはいえ、こういった形態の試験(検査)で得点する力を上げる指導を小学校の教育で行っている訳ではありませんから、ここは塾の出番といえるでしょう。また、お気づきと思いますがこの読解力・記述力は一朝一夕に身に着く力ではありません。公立中高一貫校の受験を検討する上では、対策学習のために費やす時間が1年を切ることは「短いといえるでしょう。

【後編 私立中受験の場合】に続く

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